サイバーエージェント、リテールメディアとリワードを融合させた「Retail Booster」を開始
- AI要約
- 3月6日
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更新日:11 分前

サイバーエージェントが、小売アプリ内で動画広告の視聴やアンケート回答を条件にクーポンやポイントを付与する「Retail Booster」の提供を開始した。小売メディアの新たな一手として、その動向に注目が集まる。

ユーザーにとってはメリットが小さかったリテールメディア
若年層を中心にテレビ離れが進み、消費者のメディア接触行動が変化する中、リテールメディアはメーカーにとって重要なマーケティング戦略となっている。しかし、従来のリテールメディアはバナー広告や単純な値引き情報が中心で、ユーザー体験の向上や購買行動への影響という点で課題があった。
小売のアプリ内でメーカー動画を見るとクーポンがもらえる
「Retail Booster」は、小売店のアプリに特化した広告配信サービスだ。動画視聴やアンケート回答をインセンティブに、ユーザーに小売店で使用できるポイントやクーポンを提供。これにより、メーカーは動画やアンケートを通じて商品理解を深めつつ、購買を促進できる。ネット広告業界においてゲーム内広告で主に利用されてきた「リワード広告」を、リテールメディア領域にも転用したものと言えるだろう。なお、ID-POSとの連携によるターゲティング広告も可能だという。

小売店側は、多様な特典機会を通じてアプリの利用頻度を高め、小売アプリのメディア価値を向上させることが期待できる。先行事例では、動画広告の視聴完了率が90%を超え、クーポン使用率が53倍に向上したという。
今後はネットワーク化を目指す
今後は、小売アプリを横断的にネットワーク化し、広告枠のボリュームを最大化するとのこと。AI経済学を活用したポイント還元率・クーポン値引き額の最適化や、リテールメディアに特化したクリエイティブ制作も視野に入れる。
一般的にクーポンは誰でも簡単に取得できるが、使われないことも多い。しかし、「Retail Booster」では、動画視聴やアンケートというハードルを設けることで、クーポン取得者の「使わなければならない!」という意向を高め、より確度の高い顧客に絞った効果的な値引きが可能になる。リワード広告の仕組みをリテールメディアに融合させる、サイバーエージェントの巧みな仕掛けに注目したい。